ほとんど合ってない。

涙目になりつつテキストを見つめる。

私はガックリ肩を落として冷たいガラステーブルにうな垂れた。


「途中までは合ってるんだけど、最後になんか余計なことしてんだよね」

「はぁー…」


再びテキストをテーブルに置いてバツと付けられたところを見つめていると、背中に重みが圧し掛かった。


「ほら、ここまでは出来てるんだ。だけどここから……」


私のシャープペンを手に取ると、サラサラと書かれていく答え。

だけど私はそれどころではなかった。


………待って待って、凄い密着してる。

背中越しに感じる准一さんの熱に心臓がうるさくなっていく。

ドキッドキッと跳ねる心臓。

こんなの、いつものことなのに変に意識してしまう。


「……マキ聞いてる?」

「ひゃいっ!!!」


いきなり耳元で囁かれたものだから私は肩をビクつかせる。

変な返事と一緒に。

これでは聞いていなかったと、自分から申告したようなものだった。