リビングのガラステーブルの上にドンッと目の前に置かれた参考書の山。

ガラスにヒビが入ってしまうのでは、と思ってしまうほどの分厚い本が1…2…3…4…

数えるだけで気が狂ってしまいそうだ。



「よし、じゃー今日はこれから始めてみようか」


准一さんはニッコリと微笑んで私の肩をポンと叩く。

私はそれに引き攣り笑いを返す他ない。


勉強を見てくれるのは嬉しいけど…ちょっと怖い。

これはきっとスパルタスタイルに違いない。

私は一回深呼吸をして、シャープペンを握って「よし!」と思いっきりテキストを開いた。


………20分後。


「お、終わりました」

「ん、どれ」


床に座った私の後ろで優雅に足を組みながらソファーに座り雑誌を読んでいる准一さん。

恐る恐るテキストと赤ペンを差し出した。

それを受け取るとリビングには赤ペンを滑らせる音だけが響く。

大人しく待っていると、丸つけが終わったテキストがサッと目の前に返された。

それを見て私はピーンと背筋が凍る。

……こ、こんなに頑張ったのに!?