「なぁーんか、二人イイ感じ?」


私と凪君を見てニヤリと何かを企んでいるような笑みを浮かべるゆきの。

なっ…!イイ感じって…


「そんなわけな…「あるわけないだろーなぁ?」…ハイ」


私の言葉は見事に凪君の声によって掻き消された。

なんだか焦っているように見えるのは気のせいだろうか。

私は少し首を傾げて横目でチラリと凪君を見た。


「冗談に決まってるデショ。マキは私のだもん。凪になんてあげませーん」

「え?!ゆきのは俺よりマキちゃんを選ぶんだ」


ぎゅーっとゆきのに抱きつかれていると少し寂しそうな顔をしてふざけた調子で物を言う西野君。


4人で楽しく過ごすこの時が楽しいと感じる今日この頃。

それは先生が来るまで他愛もない話が続いた。


***


放課後…私は一人、図書館へやってきた。

ゆきのは西野君と二人ラブラブで帰り、凪君はバイトがあるからと申し訳なさそうに帰って行ったのである。


「いいなぁ…」


少しばかりゆきのが羨ましいと思ってしまう。

二人が手を繋いで校門をくぐるのを見ていたらそれはもう羨ましいそのもので…

同い年で同じ学生の彼氏がいると、堂々と一緒に帰ることが出来るの二人。

私もそんな彼氏がいたらなぁ…