「ゆき?大丈夫?」

「マキ酷いー!来てくれると思ったのに」


ぐすぐす、鼻水を啜りながら泣き真似をして私の手を掴む。


「ごめんごめん。でもゆき聞いて!これはチャンスだよ!」


そう、チャンスなのだ。

ゆきのに彼氏が出来るチャンスなのである。

しかもかなり良い方向に向かっている。

だって二人は両想いなんだから!


「付き合うとかなっても私どうしていいか…」

「もー…今日は私以上にやる気ないなぁ。一緒 に考えながら帰ろう?」


机に項垂れて沈みきっているゆきのの背中を撫でて私がそういうと、小さく頷いた。


この恋は私がどうにかしてみせる!!

ゆきののことも西野君のことも大好きだし、私頑張ってみせるよ!

遠目でその様子を見ていた西野君と凪君に大丈夫、と口パクで伝えると二人は安堵したように笑った。