それは…そのー…准一さんは、西野くんにやきもち妬いたってこと?

そんなわけない、そうに決まってる。

…なんて、私一人の勘違いかもしれない。

自問自答を繰り返すばかり。


だって准一さんは私のことなんとも────…



「…別に勘違いじゃない」

「え…?」


そっと頬に触れる手。

優しく撫でて髪の毛を梳いた。

その准一さんの行動にいちいち胸がドキッといって鼓動は急速に脈を打つ。

まるで時が止まるかのようにスローモーションにも見えた。



「マキは俺のだよ…?あんなのに渡すかっての」


思ったことがポロッと口から出てて…それは准一さんの耳にもしっかりと聞こえていたらしく。

答えを返されたと思うと唇を塞がれて───…



「え、え?じゅっ…んっ」


塞がれた唇から伝わる熱。

准一さんの綺麗な顔が私の目の前にある。

長いまつげ、きめ細かい肌、通った鼻筋、全てが私の五感を刺激する。

そのキスに酔いしれ囚われた私はそっと目を閉じた。


なぜキスを落とされるのか、なんて今はどうでもよかった。

自意識過剰かもしれない。

それでも───…准一さんの言葉は嘘じゃないって思いたかった。