黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

サーバルはお付きのマーベルと共に部屋に入って……

半刻もすると、そぉっとドアを開いて彼女が出てきた。


「うららプリンセス、御心配をおかけしました。サーバルプリンスはお部屋でぐっすりとお眠りになっています」


マーゲイは私達を見て、悲しげな笑顔を浮かべた。


「たけ……サーバルプリンスは、病気は治ってないの?」


心配で心配で……サーバルが健にしか思えなくて。

私は震える声で尋ねた。

すると、マーゲイはさらに悲しげに眉を寄せた。


「はい。サーバルプリンスの生まれながらの御病気……それは、この世界の技術では治らない。不知の病なのです。だから、本当はこの国の支配者となるにはそぐわない。しかし、彼の父上……この国の王が先日、お亡くなりになったので、無理にプリンスとなることを余儀なくされたのです」

「不知の病……」


私は反復した。

同じだ……『元の世界』の健と。

そんなことが頭をもたげると、私の目からは涙が溢れ出した。


「うらら……?」


そんな私をレオパードが心配そうに抱きかかえた。

そんな彼の温かい体温は心地良くて……私の目からは、まるで氷が溶けたかのように、次から次へと涙が出て、止まらなかった。




「レオパード……お願い。この国、アルビンを、たけ……サーバルプリンスを守って」


私はレオパードの腕の中。

懸命に懇願した。

レオパードは敢えては何も言わなかったけれど……その柔らかな温もりが約束してくれた。

彼は必ず、この国、アルビンを……そして健の生き写しのようなサーバルを守ってくれるって。