白豹の国、アルビンのうららプリンセスは、幼少時より珠玉のような美貌の持ち主であると、周辺の国々の間で評判となっていた。

レオパードが幼少の頃、うららプリンセスはアルビンの国王と王女に連れられてパンターを訪れた。


その初対面は、レオパードにとっては今でも忘れられないものだった。

「レオパード王子。こちらがアルビンのプリンセス、うららです」

「はじめまして、レオパード王子」

「は……はじめまして」


レオパードに向けられたうららの微笑みはまるで天使かと思うほどに可愛らしく、美しくて。

幼いレオパードも、一目で恋に落ちてしまったのだ。




アルビンの国王は、かねてより親交の深かったパンターには幾度もうららを連れて訪れて……

レオパードはその度に胸を躍らせた。


「うららプリンセス。これ……」

「まぁ、可愛い薔薇の花。私に?」

「はい……」

「ありがとう! とっても嬉しい!」


レオパードはすっかりうららの微笑みの虜になってしまっていて。

天真爛漫な彼女に彼なりに必死で気持ちを伝えようとしていて……うららも少しずつレオパードに好意を抱いていた。



そんなある日のことだった。

アルビンのうららプリンセスに、突如ヴォルブの国王、ルーポとの縁談の話が立ち上がったのは。