『ガバッ!』


私はベッドから跳ね起きた。

汗はダクダクでシーツも濡れていた。


(何……これ?)


体が小刻みに、ガクガクと震える。


(何、この夢? もしかして、私……?)


心の奥底に封印されたはずの記憶……白豹のプリンセスとしての本能。

夢の中で具現化したそれらは、ただ、ひたすらに私に訴えた。


(私は……あの男、フェニックを八裂きにして殺した……)


「いや……」


私は手で両腕をギュッと持つ。

だけれども、震えが治まらない。


「いやぁ〜〜!」


怖い……恐ろしい。

他の誰でもない……自分自身が。

心の奥底に封印されているはずの『自分』という獣に、私はビクビクと怯え、震えている……。

その時だった。


「うらら!」


部屋のドアをバタンと開けて、レオパードが入って来た。

その声はとても愛しくて……私の中に『私』が戻ってきて。

徐々に自分の感覚を取り戻した。


「レオパード……」

「うらら!」


彼は私をギュッと抱きしめて。

彼の温もりが私の全身に伝わって。

温かな彼の腕の中で、私の全身の震えは治まった。