黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

すると、レオパードが私の肩をそっと抱き寄せた。


「レオパード……」

「うらら。大丈夫か? やっぱり、戻るか?」


彼の私を気遣うその言葉に私の震えはおさまって……そっと目を瞑り、首を横に振った。


「いいえ。だって、私は向かい合わなくてはならないから」


そして目を開けて、彼の澄んだ瞳を真っ直ぐに見た。


「あの子達……このパンターの子供達のお母さんに、一体、何があったのか」


するとレオパードは眉を寄せて心配そうな顔をした。


「きっと、知るのも辛いことになるぞ」


その言葉を聞いて……私は胸の前で、右の手の平をギュッと握った。


「ええ、そうね。だけど、私はこのパンターのプリンセスだから、逃げてはいけないの」


その言葉はあまりにも自然に私の口から出た。

私はそのことに驚くことすら忘れて……いつのまにか、私はもうすっかりこのパンターのプリンセスになっていたのかも知れなかった。

レオパードはそんな私に目を細め、私の左手をギュッと握った。


「分かった。絶対にこの手は離さないからな」


その言葉に私の心はトクンと鳴って。

昨日、あれほどまでに禍々しい光景を目にした真っ暗な家の中へ、彼と一緒に入ることに怖さは感じなかった。