黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

「んっ……」


レオパードは突然のことに驚いたように私から離れようとしたが、私はしっかりと彼を抱きしめて。

舌を絡ませた。

私がデリヘルとして、何人もの男性を骨抜きにしたテクニック……だったのだけれど。

今、この時ばかりは私は心から、彼の唇を奪いたいと思った。

そう……決して『仕事として』ではなく、私自身が彼を欲したのだ。


「うらら……」


暫しの口づけの後、レオパードは眉を寄せて私を見た。


「絶対に、あなただけなんて、行かせない。行かせないんだから……」


私はそう言って……彼をぎゅっと抱きしめた。

体中で感じる彼の温もり。

それは前世での縁すらも超越して、ひたすらに私に訴えかけた。

私はレオパードのことを愛しているんだって。




レオパードは、そんな私に根負けしたかのように微笑んだ。


「うらら……分かった。一緒に行こう」


そして、この身体をギュッと抱き寄せた。


「だけれども……絶対に私の側を離れてはいけないよ」


微笑む中にもその目は真剣に、真っ直ぐに私を見つめていて。


「ええ……絶対に離れない」


私も真っ直ぐに彼を見つめた。