黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

次の日の朝は、普段は静かな城内がやたら騒がしくて目が覚めた。


「こら、お待ちなさい!」

「どこだよ、ここ? すっごく広いじゃん!」


お城の廊下をドタバタと走り回る音と、オルビの必死の怒声が響いていたのだ。


「何……どうしたの?」


昨日の疲れがまだ抜け切らない私は、目を擦りながら寝ぼけまなこで廊下に出た。

すると……勢いよく走っていたジョンが思い切り私にぶつかって。


「いたっ!」


私は転けて、倒れてしまった。


「まぁ……何てこと。あなた、プリンセスに何てことを……」


オルビは一気に青ざめた。


「あぁ、私なら大丈夫。全然、気にしないで。あなた、朝から元気ね! いいことだわ」


私はやんちゃに走り回っていたジョンとエマに微笑みかけた。

すると、ジョンは真っ赤になって固まって……

エマは首を傾げて、そんな彼を不思議そうに見ていた。

デリヘルを呼んだおじさま達を何人も虜にした私の微笑み……どうやら、こんなに小さいマセた子にも有効らしい。