黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

私達はジョンとエマに付いて、家に向かって歩き始めた。

レオパードは相変わらず、周囲への注意を怠らない。


「なるべく、人に会わないようにしなくちゃな。まぁ、幸い……とは言えないが、この町には人の気配はほとんどないけれど」

「大丈夫でしょう。だって私達、傍目には王族の格好はしてないし……あなた、レオパードも、普通の格好いいお兄さんにしか見えないわよ」


心配そうな顔のレオパードを見て、私はクスッと笑った。


「そうか……確かにうららも、普通の綺麗なお姉さんにしか見えないな」


彼もそんなお世辞だか冗談だか分からないことを言って、にっこりと笑った。

ペガサス車に乗っている時まではレオパードは堅苦しい敬語で話していたのが、今となってはすっかり砕けた言葉使いになっていた。