黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

「いやぁあー!」


その記憶……蘇る、信じがたいほどにおぞましい記憶に、私は激しく混乱した。

嘘だ……こんなの、ただの夢だ。

そう、ただの悪夢……。


しかし、右手の甲に輝くこの真っ白な痣がさらにくっきりとその存在を主張して。

私が私でなくなってゆく……。