黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス




あの日……男達にボロボロになるまで犯された後。

(許せない……!)

幼かった私は、馬鹿みたいに笑う男達を見て憎悪の炎を燃えたぎらせた。

それは、青白く輝く冷酷な炎。

そして、右手の甲に真っ白な痣が浮き上がり……その瞬間に、私は私ではない『何か』に変化した。


(何……私は誰?)


私には分からなかった。

ただひたすらに、冷たくて、冷徹で……悲しい、何か。


それは、ほんの一瞬の出来事だった。

そう……私の中の何かが、男達の体を引き裂いたのは。


私の目には映る。

あいつらの、恐怖に歪んだ顔、跳ね上がる血しぶき、断末魔の悲鳴……。

そして、それを見て……歪な笑みを浮かべる、他ならぬ私自身……。