黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

私の右手の甲に、レオパードの額に出たのと同じような痣……

だがしかし、黒色ではなくて白いそれが浮き出たことがある。


それは、思い出したくもないあの時……小学二年生の時に、私に一生消えない傷をつけた男達が馬鹿みたいに笑いながら帰ろうとした時だった。

私の右手の甲には突如、真っ白な痣が浮き上がって、それと同時に立ち上がった私の体は、青い光に包まれて。

でも、そこから先は記憶がなくて。

気がついたら、私は家のベッドに寝ていて。

ただ後日、あの場所……私が犯された廃墟の辺りで、まるで猛獣か何かにでもやられたかのようにバラバラになった高校生の男子数人の遺体が発見された、というニュースを聞いただけだった。