黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

「それで……その黒豹とか、ウルフとか、その血族には何か、特徴があるの?」


私が尋ねると、レオパードはこくりと頷いた。


「プリンセス、私の額を見ていて下さい」

「えっ……」


そのカッコいい顔の額を見ていろと言われて、私は思わず赤面してしまった。

しかし、その額には……徐々に黒いものが浮かび上がっていたのだ。


「えっ? これは……痣?」


そう……レオパードの額には黒豹の形をした痣がクッキリと浮かび上がった。

そして、彼の瞳の色は赤色に変わり……

彼は全体から、得体の知れないオーラを放ち始めたのだ。

恐らく何の力もないであろう、私にも分かる。

それは、赤色のオーラだった。


「うそ……何者?」


思わず私の口からその言葉が漏れた途端に、彼の額からは黒豹の痣が消え、元の穏やかな彼に戻った。


「今見ていただいた痣が黒豹の刻印……そして、体中から発したオーラが黒豹のオーラです。そして……うららプリンセス。あなたは実は、白豹の国、アルビンのプリンセス。同じく白豹の刻印を持ち……それが浮かび上がった瞬間に全身から白豹のオーラを発することができる」

「うそ、私が? そんなワケ……」


そこまで口にした時。

私はハッと、思い出した。