黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス




「少しは落ち着かれましたか?」


不安定に泣き出した私に、レオパードは深いことは尋ねずにそっと見守ってくれていて。

その優しさ、温かさがとっても懐かしいような、変な感覚になった。

不思議だ……私は彼のことは何も知らないはずなのに、どういうわけか、ずっと前から知っているような気がする。


「少し、お休みになられた方がよいのでは?」


オルビも心配そうな顔で気遣ってくれた。

しかし、私は首を横に振った。


「いいえ、大丈夫。この国……パンターのことを教えて下さい」


どうしてだろう……どう考えても信じられない状況なのに、私はそれを受け入れ始めていた。

レオパードはそんな私に静かに微笑んで、話し始めた。


「パンターは代々、黒豹の血族の者が王をつとめる国です」

「黒豹の血族?」

「はい。王族には大きく分けて、白豹、黒豹、ウルフの血族の者がいます。そして、この世界は三つの国……白豹の血族が統治するアルビン、黒豹の血族が統治するパンター、ウルフの血族が統治するヴォルブに大きく分断されているのです」

「そう……なんだ」


それは、私の住んでいた世界の常識とはあまりにもかけ離れた話だったけど。

私は驚くほどすんなりと受け入れることができた。