私には、こんな幸せは訪れることはないと思っていた。

幼くして傷ものになった、あの日から。


でも、だからこそ……愛しいこの子達とは幸せな日々を送りたい。

そして、この子達もまた、大きくなって、幸せな家庭を作っていって欲しい。


そう、このレオパード……いや、雹のように、愛しくて堪らない、かけがえのない人と一緒に。


だって、傷だらけだった私だから分かるんだ。

それが何よりも一番愛しくて……大切なことだって。



そんな想いを馳せてじっと見つめると、雹は少し顔を赤らめた。


「何か、そんなに綺麗な顔でじっと見つめられると照れるよ。僕は結婚しても、未だに麗の綺麗さに慣れてないんだから」

「まぁ、そんなにお世辞を言っても、何も出てこないわよ」

「いや、お世辞じゃないってば」


結婚してもずっとラブラブの私達と愛しい晴翔と未唯は、いつも通りの素敵な日に、愛弟と親友の待つ家へ向かうのだった。




(完)