私の大切な人達が揃ったリオン城の一室は、煌々と輝いている。

パンターの赤い宝玉、アルビンの赤い宝玉、ヴォルブの黄色い宝玉……それらが揃った。


「すごい……綺麗」


眩いばかりの光を目にする私の口からは、思わずその言葉が漏れた。

三つの宝玉が共鳴し、凄まじいほどの輝きをもってその部屋を明るく照らして。

初めて見るその美しさに、私はまるで夢の中にでもいるようだった。


「すっごーい。プリンセスみたいにきれい……」


宝石と同じようにキラキラと目を輝かせて、そんなことを言ってくれたのはエマで。

そんな彼女にジョンはにっこりと笑った。


「そりゃあ、そうだよ。だって、僕のうららは世界一、きれいなプリンセスで。この宝石は世界一、きれいな宝物なんだから」


私のかけがえのない弟……健と瓜二つのサーバルも、その輝きをうっとりと眺めた。


「すごい……まさか、僕が生きている間に、こんなに綺麗なものを見れるなんて」


私はサーバルのそんな言葉に思わず吹き出して……彼の肩を持ち、目を閉じて静かに首を横に振った。


「そんなことを言っちゃ、嫌よ。サーバル。あなたは、生きてゆくのよ。これからも、ずっと、ずっと。そう……。きっと、私よりも長く……」


サーバルも、私の言葉に白い歯を見せて柔らかく笑った。

私達がこんなことを言って笑い合えるのも……きっと、この宝玉の前だから。

この世のものとは思えないほどに美しい輝きを前に、自らに降りかかった辛さ、悲しみ……その全てを忘れられたからに違いない。