「そんな……違うわ。私の知っているあなたは、そんなんじゃない。いつも一人でいる私にしょっ中、話しかけてくれて」
そう。私の知っている奈美は、いつも孤独にいる私に屈託のない笑顔を向けてくれた。
優しくて、明るくて、ロマンチストで……とってもいい娘なのに。
しかし、私の言葉を、途轍もなく冷たいその声が遮った。
「はぁ? そんなの、自分の地位を上げるために決まってるじゃない。クラスで一番可愛くて? でも、誰とも話さないあんたに話しかけて友達になってやったら、周りの私に対する株も上がるから。だけど……」
奈美は、嫌なものを見るような目で私を見た。
「本当はずっと、嫌いだった。
あんたみたいに、自分が可愛いのが当たり前になってる奴。可愛く生まれてしまって不幸……なんて言わんばかりに、言い寄る男を片っ端から振ってさ。一体、何様のつもりなのよ」
奈美は口元を歪めていたが……その目には、悲哀を含んでいるように見えた。
「そんな……でも」
私の目の端には、捕縛されながらも無事に生きていて……小刻みにガクガクと震えているジョンとエマが映った。
「でも……現にあなた、ジョンとエマを助けてくれたじゃない。私達の側についた二人を。ねぇ、奈美……」
「はぁ、助けてくれた? フッ……おめでたい奴だこと」
縋るように言う私を見て、奈美は余程面白いものを思い出したかのように、口を押さえて吹き出した。
そう。私の知っている奈美は、いつも孤独にいる私に屈託のない笑顔を向けてくれた。
優しくて、明るくて、ロマンチストで……とってもいい娘なのに。
しかし、私の言葉を、途轍もなく冷たいその声が遮った。
「はぁ? そんなの、自分の地位を上げるために決まってるじゃない。クラスで一番可愛くて? でも、誰とも話さないあんたに話しかけて友達になってやったら、周りの私に対する株も上がるから。だけど……」
奈美は、嫌なものを見るような目で私を見た。
「本当はずっと、嫌いだった。
あんたみたいに、自分が可愛いのが当たり前になってる奴。可愛く生まれてしまって不幸……なんて言わんばかりに、言い寄る男を片っ端から振ってさ。一体、何様のつもりなのよ」
奈美は口元を歪めていたが……その目には、悲哀を含んでいるように見えた。
「そんな……でも」
私の目の端には、捕縛されながらも無事に生きていて……小刻みにガクガクと震えているジョンとエマが映った。
「でも……現にあなた、ジョンとエマを助けてくれたじゃない。私達の側についた二人を。ねぇ、奈美……」
「はぁ、助けてくれた? フッ……おめでたい奴だこと」
縋るように言う私を見て、奈美は余程面白いものを思い出したかのように、口を押さえて吹き出した。



