その水晶玉を見た私は驚愕のあまり、思わず叫んだ。
「奈美……まさか!」
そこに映っていたのは、紛れもなく奈美。
それは、まさかこの世界で見るとは思っていなかった。
相変わらず美しい、随分と久しぶりに見る顔で……だがしかし、私の知っている彼女とはかけ離れた姿だった。
ウルフの家臣達を虐げる傲慢な態度、薄気味悪い笑顔……それはまるで、本人だとは思えなかった。
だがしかし、そこに映っていたのは、見れば見るほどに、間違いなく奈美本人だったのだ。
「どうして……?」
その時、私は自分が元の世界からここ、パンターに来た時のことを思い出した。
ならば……奈美もきっと、転生したウルフのプリンセスで。
ヴォルブの誰かに、元の世界からこの世界に連れて来られた、ということ?
その経緯を確かめる術はない……だけれども、私達が戦う相手が、元の世界で親友だったはずの奈美だということは確かだった。
その事実が信じられなくて……だがしかし、私には混乱している暇なんてなくて。
私はジョンに、彼女がこの世界で企んでいることを尋ねた。
すると……
「ナミプリンセスは……うららを自分の手で殺すと言っている」
水晶玉を見せながら、ジョンが話してくれた。
「だからきっと、レオパードとうららを捕まえているのを映したら、ここに殺しに来る。その間に……ヴォルブを潰すしかないんだ」
そんなことを話すジョンは、これまでの悪ガキだった彼だとは思えないくらいにしっかりとした口調で。
だから……幼い彼がこれまでに歩んできた壮絶な人生を物語っていて。
私は思わず彼を抱きしめて……その最大の賭けに乗ったのだった。
*
「奈美……まさか!」
そこに映っていたのは、紛れもなく奈美。
それは、まさかこの世界で見るとは思っていなかった。
相変わらず美しい、随分と久しぶりに見る顔で……だがしかし、私の知っている彼女とはかけ離れた姿だった。
ウルフの家臣達を虐げる傲慢な態度、薄気味悪い笑顔……それはまるで、本人だとは思えなかった。
だがしかし、そこに映っていたのは、見れば見るほどに、間違いなく奈美本人だったのだ。
「どうして……?」
その時、私は自分が元の世界からここ、パンターに来た時のことを思い出した。
ならば……奈美もきっと、転生したウルフのプリンセスで。
ヴォルブの誰かに、元の世界からこの世界に連れて来られた、ということ?
その経緯を確かめる術はない……だけれども、私達が戦う相手が、元の世界で親友だったはずの奈美だということは確かだった。
その事実が信じられなくて……だがしかし、私には混乱している暇なんてなくて。
私はジョンに、彼女がこの世界で企んでいることを尋ねた。
すると……
「ナミプリンセスは……うららを自分の手で殺すと言っている」
水晶玉を見せながら、ジョンが話してくれた。
「だからきっと、レオパードとうららを捕まえているのを映したら、ここに殺しに来る。その間に……ヴォルブを潰すしかないんだ」
そんなことを話すジョンは、これまでの悪ガキだった彼だとは思えないくらいにしっかりとした口調で。
だから……幼い彼がこれまでに歩んできた壮絶な人生を物語っていて。
私は思わず彼を抱きしめて……その最大の賭けに乗ったのだった。
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