黒豹プリンスと傷だらけのプリンセス

コヨテは歯軋りをして全身からは禍々しいほどのエネルギーを帯びた黄色い光を放ち、その右手には凄まじいほどに大きなシャイン・ボールを輝かせていた。


「お前達……どうなるか、分かっているのか? 幼い子供だからと言って、決して容赦はしないぞ」


その声は、地鳴りかと思うほどに低く大きく響いて……エマの目には涙が滲み、ジョンも思わず身震いした。


「エマ……」


ジョンは、右手をしっかりと握る妹にそっと呟いた。


「僕達……絶対に、レオパードとうららを守るよ。たとえ、僕達の命に代えたとしても」

「うん、お兄ちゃん」


涙を浮かべるエマの屈託のない笑顔は、ジョンの言葉の全てを理解していた。

自分よりずっと幼いのに、その残酷な運命を受け入れる覚悟をしたその純真な笑顔を見て、ジョンの目からは一筋の涙が伝って落ちた。