アルビンのブラン城へは、家臣が城外……ウルフ軍の様子を伝令するために走り込んで来た。


「サーバルプリンス。ウルフの軍は引き、当分は侵攻してくる様子はない模様です」


サーバルのもとへ来た家臣の言葉で、私達はホッと息をついた。


「しかし、何やら別の方向へ向かって動き出しているようで……」

「えっ……」


その言葉で、私達の中には再度、緊張が走った。


「別の方向って……」

「はい。ヴォルブの西側……パンターの方へ」

「何ですって!?」


思わず私の口からは、驚愕と絶望の声が出た。


私達がつい数時間前にウルフ軍を退けたはずなのに、こんなに連続で!?

しかも、今はパンターの軍は大半がこちらに移っていて、本国は手薄……


「こうしちゃいられない! レオパード、早く! パンターに戻るわよ!」

「あぁ。私達のパンター……。ウルフ達が攻め込むまでに、何としてでも着いて守らなければ……!」


私とレオパードは大急ぎでペガサス車の準備に走った。