嫌だ……私は殺してしまったんだ。

自分と自分の大切な人を殺そうとした奴だとはいえ、全然知りもしなかった者を。


その考えが私を支配するに連れて、私の全身はまるで漏れ出すかのように青い光を放ち、私は私でなくなっていく……。

その時だった。


「うらら!」


隣の愛しい人が私をギュッと抱き寄せた。

そして……


「んっ……」


唇に伝わる、温かくて柔らかな優しい感触……。

レオパードの唇が重なった瞬間に、昂ぶり切っていた私の感情は治まって。

私の全身が放っていた青い光は徐々に消失していった。





だけれども……青い光が消失しても、私の全身は小刻みにガクガクと震えた。


「レオパード……どうしよう。私、あいつを殺し……」


現実を現実として受け止めるにつれて、私の顔からは血の気が引いていった。

でも、彼はそんな私を真っ直ぐに見つめた。


「うららは何も悪くない。私を守ってくれて……ありがとう」


彼のその言葉を聞いて。

私の目からは、熱いものがポタポタと溢れ落ちた。


「レオパード……」


私は彼の腕の中で、声を上げて泣いた。

覚悟はしていたはずなのに……戦うって、相手を倒すって、こんなにツラいことなんだ。

だけれども、自分の守った大切な人の温もりが、私を優しく包み込んだ。