「涼真!待ってたんだから、一緒に帰ろうよ~!」


ドクン。

お兄ちゃんは私と帰るのにー…


「あ、真優ちゃんも一緒に帰ろうよ!3人で」

…やだ。


嫌に決まっている。


何で、目の前でお兄ちゃんと優華さんが仲良くしているのを見なきゃいけないの?



そんなの絶対嫌だ。



けど、そんなこと言えるわけがない。 




お兄ちゃんは私と帰るの!!なんて言ったら、優華さんは変な目で私を見る。


それに、お兄ちゃんもきっと嫌がる。



「…っ」



俯いている顔を、まだ上げることができない。


むしろ、さっきよりも身体が震え、目に溜まる涙も増えているような気がする。



「真優ちゃん?どうしたの?もしかして、体調悪い?」



「!」



優華さんが近付いて来ているのが、気配でわかる。





嫌だ…



近付かないで!!!