休み時間になり、周りの皆は席を立ちガヤガヤと動き始める


真優は一人頭を抱え、席から立てずにいる。



「やっちゃった…」


よりによって、苦手な数学とかー…

中間の時に一番点数低かったし、この教科書の問題も一問もわかんないよー…


どうしよう。


「真優、本当にバカだな」

「!」


抱えていた頭をポンっと叩かれた。


「バカって何よ!」


顔を上げると、ニヤついた顔をした光太郎がいた。



「あの先生の授業でボーっとするなんて、バカなのかなって」


「うるさいな!バカって言わないで」


「どうせこの問題もほとんど、わからないんだろ?」


「っ…」


ドキ。



図星をつかれ、言葉に詰まる。



「放課後、問題解くの付き合ってやろうか?」


ニヤニヤとバカにした顔で言う、光太郎。


「いい!一人でやるし!!てか、光太郎も私とそこそこ変わらないじゃん」


中間テストの結果も、光太郎と私はほとんど変わらなかった。


お互いに、学年で真ん中ぐらい。



「数学は真優よりは良かったぞ」

「いいの!!一人でやるから」


光太郎に勉強教えてもらうなんて、なんとなくプライドが許さない。



「ふーん、学校に泊まりになっても知らないぞ」

「大丈夫だもん」

「あっそ。好きにすれば?」


ちょっと怒り口調で光太郎は言い、教室から出て行ってしまった。




怒ったかな…



けど、光太郎に勉強を教えてもらうなんて…




やっぱり、プライドが許さない。




…一人で頑張ろ。