私も帰宅部じゃなくて、陸上部に入れば良かったかなー…


でも、運動神経ないし…その前にきっと、お兄ちゃんに怒られる。




「はぁー…どうしたらいいんだろ?」


「それはこっちのセリフだけど」


…へ?

思わず出てしまった一人言に、返事が返ってきた。


窓に向けていた顔を、黒板に向ける。



「あ…」


黒板よりも手前で、先生と目が合った。



「来週は期末だというのに、余裕ですね。白石さんは」


「え…あ…いや…」


にっこり笑いながら先生は言うが、あきらかに怒っている。


しまった…と思ったが、もう遅い。


クラス中の視線も集まっている。




「教科書の30ページの問題を全て解いたら、今日は帰っていいですよ」

「30ページ?」


慌てて、30ページを開いた。



「う…そ…」


目を見開き、教科書とにらめっこする。


「本当です。終わったら職員室まで見せに来るように。はい、授業おわりますよ」


そう言うと先生は挨拶をし、教室から出て行った。