「あのね…………」

「どうかなさいましたか?」

綺麗なお花を一緒に堪能していると、スフィア様が声を掛けてきた。

そして、恥ずかしそうに照れながら口を開いた。

「あのね…………ありがとう…っ!」

……………………可愛い!!!

そんな姿に私は思わずときめいてしまう。

いや、女であってもこれはときめかずにはいられない。

「い、いえ…………私は特に何もしていません……」

「ううん。ただ単純に嬉しかったの!今までこうやって何かをしてくれる侍女さんはいなかったから嬉しくて。だから、ありがとう」

か、可愛い。

いやそうじゃなくて…………今まで侍女が何もしていなかったって何?

じゃあ今までその侍女達は何をしていたの?

誰もあの暗い部屋を疑問にも持たず、ただ時が流れるように放置していたの。

何だかその侍女達に怒りがわく。

「…………………宜しければまた明日もお外へ出られませんか?私もスフィア様が楽しめるような庭園にこれからしていきますので」

今は荒れた庭園だが、手入れ次第ではもっといいものになる。