「では、そんな素敵なプレゼントを使わないと勿体ないですね。早速使って見ましょう」
私はそう言ってスフィア様の手を引き、外へ連れ出した。
久しぶりに出るからかスフィア様は少し怯えた感じだったが、出た庭が部屋のすぐ前だったので絡まれる心配もなく、スフィア様は次第に緊張を解いた。
「スフィア様見て下さい。素敵なお花が咲いています」
手入れがされていない庭園であったが、そこに咲く花は力強く凛とし輝いていた。
「わ、本当……………っ!この庭園にはこのようなお花が咲いていたのね」
部屋の外にある庭園をあまり見ていなかったのだろう。スフィア様は不思議そうな表情をした。
「日の光も多く浴び過ぎなければ倒れる心配もございません。それに日の光を適量に浴びる事は健康にもきっと繋がります」
「………………そうなの?私身体が弱いから外に出ない方が良いと今まで思っていたわ」
「こうやって歩く事は運動にもなりますので、風邪を引きにくくなるとは思います。まぁ、私独自の考えですが………」
「そんな事はないわ。貴女が言うと本当な気がする」
……………何だか外に出てから、多少明るくなってきたような気がする。
やっぱりあの部屋にいた事が問題だったのかもしれない。