知らないうちに勝手に上がっていた評価に驚く。

それと同時に皆のいう絶世の美女でない事に申し訳なさを感じた。

きっとそんな人達が私を見たらガッカリするんだろうな。それに、この王子様も私がその妃であったともし知ったら想像とは違う姿に残念な顔をするに違いない。

とりあえず、そんな言葉に大げさな反応は取ってみたがきっと表情は硬かっただろう。相手がそこのところ鈍い王子様で良かったと安心する。

「まぁ雑談はこの辺にして、本題はここからや」

え、あれらは本題じゃなかったの!?

私はてっきり知っている事を白状させる為に、この場に呼んだとばかり思っていた。

「王族に仕えるのは初めてだろうから教えるが、ここで働く侍女の殆どは現に12人といる俺の側妻(そばめ)の身の回りの世話を任せている。それであんたもある側妻の世話を命じる」

妃に仕える使用人が存在するのは、アンディード帝国と変わらないのね。

12人も妻がいることは驚きだけど。

「王子様の命令とあれば謹んでお受けするだけでございます」

「そうか。あんたに任せるのは第8妻のユリノーゼだ。ユリノーゼは東のハレムにて過ごしている。場所は後で他の者に案内させよう」

「分かりました」

「ちなみにユリノーゼの侍女はあんたしか居らへんから」

「…………はい!?」

それは一体どうゆう事……!!?

「前に何人か侍女は居たんやが、辞めてしもうてな。ちょうど良かったわ」

王子様はハッハッハッハ!と口を開いて笑っていたが、私は全然笑えない……。

絶対訳ありじゃないの。

「勘違いするなや?ユリノーゼは元から病気がちで、少しの事でも身体を崩すからそんな世話に耐えかねた侍女らが次々と辞めていったんや」

病気がちで、身体が弱い……………か。