「『次会うときは絶対負かしてやる』俺はそう言った。だから勝負しようぜ、団長!」

あの日からだいぶ月日がたった。

俺も負けてから必死に修行し、それなりに強くなったと思う。

だから次は絶対に勝つ!!

「セレファーナ…っ!!無礼な言動はそのぐらいにしろ!!」

先ほどからウェンターズさんは怒ってばかりで、近くにいるライはなぜか可笑しそうに一人で大笑いしている。

「まさか、負けるのが怖いのか?」

俺は挑発するように笑いながら言葉を発するとそれを聞いたそいつは、呆れたように溜息をついた。

「良いだろう。外へ出よう」

「団長…っ!挑発にのる必要はないですよ」

「ウェンターズ。私(わたくし)はあの者の実力を確かめるだけだ。直ぐに終わる」

「面白い事言うじゃねーか。早く出ようぜ」


俺は急かすように皆で外にある訓練場に出た。











「今回使うのは前の通り木の棒……ではない。訓練用の剣を使ってもらう」

そいつは俺にそう言うと切れない剣を渡した。

「刃を潰してあるのか」

刃に手を押し付けてみるが確かに切れない。

切れる恐れはないが、あたるとかなり痛そうだ。

「では位置につけ」

「おっし!」

俺は間隔をあけるように下がり、合図を待つ。

そして……

「始め!!」

合図が聞こえたと同時に緊張感がその場に走る。

見ているだけのウェンターズさんやライまでも息をのんで見ている。

最初は相手がどう出るか様子を伺うが、向こうは仕掛ける気がなさそうだ。

このままだと冷戦状態か……もしくは向こうも俺の出方を伺っているのか。

仕掛けても良いけど下手に仕掛けて罠にはまるのも嫌だし、今はこのまま様子を伺っておくか。