俺らも誰が入って来たのか気になりドアの方に視線を向けると、そこに立っていたのは―――。

「遅くなってすまない。どこまで説明したのか?」

「エラストマー団長」

ウェンターズさんはそいつに軽く頭を下げる。

「お前はあの時の……っ!!!!」

俺はその顔を見た瞬間既に口が開いていた。

「セレファーナ!!団長に何とも無礼な!」

そんな俺を直ぐにウェンターズさんは叱り、対する俺は戸惑いを隠せずにいた。

「今なんて……団長??こいつが??」

「また無礼な口を…!!」

「問題ない。口の聞き方はこれから直さないといけないが、この者とは顔見知りだ」

「え、団長とセレファーナがですか!?それは驚きました…」

アニ姉は確かこいつの事を宮殿の騎士と言っていたから、宮殿に来ればもちろんこいつに会う事も分かっていたが…。

まさか第二騎士団の団長だなんて知らねーよ!!

「…………」

だけどあの強さ……そう言われれば確かに納得だ。

こいつの事を認めたくはないが……無駄のない動きと俺のどんな攻撃も可憐に受け流す技術。

普通の騎士でないことは分かるはずだ。

しかし…こんなところで偶然会えるなんてな。

不思議な事に笑いが込み上げてくる。