「へ、陛下……一体どこへ向かわれるのです?」
長い廊下をひたすら歩く。
この廊下は見たことがあり、この先には確か………
私が最初休んでいた部屋がある。
――――ドサ………。
「へい……か…?」
部屋に連れてこられるとそのままベッドの上に押し倒された。
腕で私を取り囲むようにする陛下の顔はかなり近く、少しだけお酒の良い香りが漂ってくる。
「もしや………酔われたのですか?」
「酔ってなどいない」
「ですが…………。今お水を持ってまいります」
陛下がこのように取り乱したのを今まで見たことがなく、どこか色っぽく感じる。
このままだと自分が持たない。そう感じた私は一度逃げようとそう言ったが………。
「陛下……」
中々逃がしてはくれない。
私もどうしたらよいか分からず、横に視線を逸らす。
「……妃は本当無防備だ」
「一体どういう意味でしょうか……」
「そのままの意味だ」
「ひゃ……っ」
首筋にキスをされ思わず変な声が出る。
「な…何をするのですか…っ////」
「何をとはまた面白い事を聞く。余とそなたは夫婦なのだから、このような事をするのに理由などは要らぬ」
そう言って陛下は再び首元にキスをする。
くすぐったくて何だか変な気持ちだ。



