暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



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「陛下様のお好きな物は何ですの?」

「どのような方が好みでいらっしゃるのですか?」

「ご趣味は?」

国王との挨拶を済ませた後に集まってきたのは王族の女達で、甘ったるい口調で余に話しかけてくる。

皆胸元の開いたドレスで余に迫り自らをアピールする姿はなんとも見苦しい。

こういった女の本来の目的は分かっている。余ではなく権力ある立ち位置がただほしいだけなのだ。

「……すまないが他に用事がある為そこを通してはくれぬか」

「え~!何か一つでも教えてくれませんか!?」

周りにいる女共は余の前から退くつもりはなさそうだ。

妃の前で強く言うのは…と少し気が引けてはいたが、

「どこに行ったのだ……」

気が付けば側から離れてしまっていた。

この光景を見て離れていったのだろうか何なのかは知らないが、無性にイライラする。

「ねぇ、陛下様~……ひっ!!!」

「余だと分かってそのような態度をしているのだろうな」

「い、いえ……その…」

少し声を低くしただけで目の前の女共は急に顔色を変えた。

「退け」

「は………はい!!すいませんでした」

睨みをきかせると集まっていた女共は一本の道を作った。

「全くつまらぬ女共だ。それより妃はどこだ?」

広い会場を端から端まで見渡すと、そこまで離れていないテーブルの前に妃は一人立っていた。

ただし………周りの視線を浴びつつ。