「サンドジョセフとはまた不思議な名ですね」
「サンドイッチのような見た目からサンドの名を取り、下の名はこの料理を開発した女性の名の一部を取ってつけておられます」
それでサンドジョセフなのね。
「ちなみにこれはパナップと申しまして熱帯地域で盛んに栽培されていますフルーツになります。爽やかな匂いとどの料理にでも合わせられるような自然な甘みが特徴でして、残念ながら暑い地域でしか育たない故に近隣諸国でしかこのフルーツは知られておられません。要望があれば基本どの国へでも輸出は可能なのですが…皆見たことのないこのフルーツを中々手に取る方はおらず……」
アンディード帝国で見たことがないと思ったらやはりそうなのね。
近隣諸国であれば友人やガルゴ王国へ行った者からその情報を得る事が出来るが、反対に離れた国々は初めて見るフルーツを軽々取り入れたりはしない。
なぜなら暮らす住人の口に合うかも分からないし、売れる保証のない物はなるべく取らない方が自分の店の為になるから。
それに他国者の話を初対面ではなかなか信じられない点もある。
アンディード帝国はガルゴ王国から結構離れているので、そもそも話がここまで来なかったのかもしれない。



