暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



ただの侍女ごときにあのような難しい知識が分かるはずないもの。


しかしそれにしても………………アルヴァン様がこんなにも早く証拠をお見つけになられたとは正直考えにくい。


だとすればその兵士達は誰かの命令により、そのような行動を起こしていたと考えた方が利口か…。


しかしその人物は一体誰なのかしら?

兵士達を簡単に動かし、証拠さえも見つけたその人物とは…………。


「確かアニは外交輸入管理部に向かったと言ったかしら?」

「さ、作用でございます…」

まぁ、その人物がスフィアの味方する側妻の誰かだとしたら制御なんて簡単な事。

「ならば今からそちらへ向かいましょう」

「ふぃ……フィグリネ様……っ!!??今何とおっしゃいましたか??」

「私(わたくし)自ら出向いたほうがどう考えても早いでしょう?」

「そ、そうでございますが………今フィグリネ様の身体に負担をかけてしまわれては再び体調を悪化させかねません」

周りが休めと言うから休んでいるだけであり、身体の調子など本当は既に良くなっている。
 
それに上の立場である私(わたくし)に楯突こうと考える馬鹿は流石にいないでしょう。