暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



「その無実の証拠について私は詳しく知りませんが、兵士達が中にいたテリジェフを外へ解放したのは真実でございます!そして、そのテリジェフは……………何やら焦ったように」

「向かった場所までは分からないのかしら?」

「何やら…………外交輸入管理部の方向へ走られていたかと…」

外交輸入管理部だと…………?

その部署は外からこの宮の中へ物を入れる際、どの様な品をどのような人が持ち入れたのか記録し、管理する部署だ。

あの毒は確かに外から仕入れているがそれ単品だけでは毒にはならず、取締こそ厳しいものの料理などに良く使う食材な為、ここの料理人であれば仕入れても可笑しくない物。

今回はそれをある薬草と一緒に混ぜる事で毒へと反応させていたのだが…………………まさかアニはそこに目をつけたのであろうか?

しかしそれをまさか他の薬草と混ぜ毒に変化させていたとは思わないでしょうし、そうなれば怪しい物を中へ入れていないか調べに行った可能性の方が高いわね。


普通、毒を中へこっそり仕入れたと思うでしょうし。

だけど残念だったわね。

あれ単品では毒にならぬから、その知識がなければ貴女に分かるはずがないわ。