暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



「アニを処分した後、誰にもバレぬようスフィアも処分すれば問題はない」 

後で何者かが中で暴れ、罪人を殺してしまったとでも言えば恐らく大丈夫だろう。


私はそう軽く考えていたが、

____トントントンッ!

「……どなたでしょうか?まさか…先程の話を聞かれてるのでは……っ」

侍女が行動に移そうと部屋の戸付近に近づいたとき、いきなり戸を叩く音が聞こえてきた。

侍女の言う通り…先程の話を万が一聞かれていたら問題だ。

しかし…そうであれば戸は叩かず静かにその場から立去るはずですし、そうなれば聞いていないかもしれない。


「落ち着きなさい。……どなたかしら?」

動揺する侍女をなだめ、私(わたくし)は戸を叩くその人物に言葉をかけると、外から焦ったような女の声が聞こえてきた。

「失礼致します…チベットでございます!恐れながら…そちらにレイジュ様はいらっしゃいますでしょうか!?」

「チベット…?」

どうやらそこにいるレイジュに用事があるみたい。

「レイジュ、出てあげなさい」

「…………はい」

何やら驚いた表情のレイジュにそう声をかけると、先程外に出ようとちょうど戸の前にいたレイジュは、ゆっくりと戸を開いた。

「レイジュ様…………大変な事が起こりました!!」

そこにいた侍女はレイジュを見るとその場に両膝をつき、頭を下げつつそう言葉を発した。

何か問題が起こったみたいだ。

「一体何があったのか気になるがそれよりも貴女…………持ち場はどうしたのよ!!?」

持ち場……………?

「見張っていたのですが………何やら無実の証拠が発見したとある兵士達が中にいたテリジェフを解放したのでございます!私の力ではどうする事も出来ず………っ」

アニを……解放?

それも無実の罪だと………!!?

まさかこの者………………。

「レイジュ。まさかこの者に見張りを頼んでいたのかしら!?」

「…………そ、そうでございます!」

レイジュが頼んだ見張りの侍女であったか。

今の話が本当であれば、かなりマズイ事が起こってしまったわ。

それよりもその無実の証拠とは一体…………?

証拠となるものは全て消したはずなのに。