暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



『行かないで…っ!』

そう叫びたかったけれど、私(わたくし)らしくないという勝手なプライドが邪魔をして、呼び止める事が出来なかった。

アルヴァン様は次第に遠ざかり、そして私(わたくし)の部屋から出て行った。

こうなれば違う作戦を考えるしかないわ。

私(わたくし)は最終手段に動き出した。

「見張りを頼んだ侍女にすぐさま伝えなさい。










………密かにアニを処分しろと」

「…………………っ!」

普段の私(わたくし)であれば絶対言わないであろう冷めた口調で、侍女にそう命令すると一瞬驚いたような顔をした。

………………がそれは本当に一瞬の事で、

「先にスフィア様でないのですか?」

直ぐに理解した。

「スフィアも処分して起きたいがそれよりもアニの方が厄介だ。味方であれば頼もしかったでしょうが、敵となればとても恐ろしい者。仮にアルヴァン様とアニが接触でもしたら………」

恐らくアニはまず、あの事件について深く調査するであろう。

今捕らえられている身だとしても、同じ意見を持つアルヴァン様であれば、解放し調査に同行させかねない。

そしてアニは私(わたくし)を疑うであろう………。

そうなれば私(わたくし)の身が非常に危ないわ。