『行かないで…っ!』
そう叫びたかったけれど、私(わたくし)らしくないという勝手なプライドが邪魔をして、呼び止める事が出来なかった。
アルヴァン様は次第に遠ざかり、そして私(わたくし)の部屋から出て行った。
こうなれば違う作戦を考えるしかないわ。
私(わたくし)は最終手段に動き出した。
「見張りを頼んだ侍女にすぐさま伝えなさい。
………密かにアニを処分しろと」
「…………………っ!」
普段の私(わたくし)であれば絶対言わないであろう冷めた口調で、侍女にそう命令すると一瞬驚いたような顔をした。
………………がそれは本当に一瞬の事で、
「先にスフィア様でないのですか?」
直ぐに理解した。
「スフィアも処分して起きたいがそれよりもアニの方が厄介だ。味方であれば頼もしかったでしょうが、敵となればとても恐ろしい者。仮にアルヴァン様とアニが接触でもしたら………」
恐らくアニはまず、あの事件について深く調査するであろう。
今捕らえられている身だとしても、同じ意見を持つアルヴァン様であれば、解放し調査に同行させかねない。
そしてアニは私(わたくし)を疑うであろう………。
そうなれば私(わたくし)の身が非常に危ないわ。



