そんな私(わたくし)へ向かってアルヴァン様はゆっくりと口を開いた。
「……………何を言うんや。心配したからここへ来たんやないか」
「私(わたくし)の身を案じて…と言うのですか?」
「当たり前やろ」
今まで言われたことのない言葉を吐かれ正直驚きしかないが、このような事件を起こしていなかったらそもそも私(わたくし)に関心はいかなかっただろう。
そう思えば嫉妬したものの、このような行動を起こして良かったと今ふと感じた。
いずれスフィアは処刑される。侍女のアニと共に。
アルヴァン様が暗殺未遂事件をご存知と言う事は少なくもスフィアの事も聞いているに違いない。
そう思った私(わたくし)はアルヴァン様へ悲しそうな表情で、
「……しかし、まさかスフィアがあのような行動を起こすとは思ってもいませんでした。可愛い妹のような子でしたのに……」
と少しだけ目に涙も浮かばせそう言うと、私(わたくし)的には非常にマズい返事が返ってきた。
「ユリノーゼが毒を混ぜ他の者を亡き者にしようとするなんて事、正直考えられんのや。侍女のアニもそうや。あいつがそのような行動を起こすわけもない」
「…しかし、他の者が証言しておりました。飲む前にこっそり毒を入れ、倒れた後も私(わたくし)に何かしていた…と」
「その話俺も聞いたが、そう証言した者はしっかりと毒を入れたところを見たのか?それでいてあんたに何をしたんや?」
「そ…それは…」
「奴らの話は信憑性に欠ける。不安もある中早く処理したいのは分かるが、もう一度調べなおした方がえぇ」
それはヤバいわ…。確かに私に何をしたのか詳しく聞いていなかったし、そもそも毒を仕込んだのはこの私(わたくし)。
もしそれらがアルヴァン様にバレでもしたら……私(わたくし)は…。
「俺がしっかりと調査してくるから、あんたは安静にな」
まさかアルヴァン様が動かれるとは想像すらしていなかった。
死人は口を開かない。それと一緒で早く処刑を済ませ、皆そろって話を合わせれば済むことだと考えていた。
しかし現在未だに処刑はされていない。
これで真実が表に晒されたりなどしたら……。
急に恐怖心が私を襲う。



