暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



「聞いたときビックリしたわ。知らん間に暗殺未遂事件が起こってやなんて。気になって会談中止して抜け出してきたぐらいや」


…………今なんと?

私はその言葉に眉を寄せた。

「まさか私(わたくし)の事が心配で来られたわけではないでしょう?」

そう言って状態っぽくフッ…と笑ってみせた。

恐らくアルヴァン様が気になっているのは、暗殺未遂事件が起こった後の事であり、私(わたくし)が心配で会談を中断したわけでないとそう思ったから。

少し嫌味も込めて言ってみた。

私(わたくし)はアルヴァン様にとって第一妻であるが、私(わたくし)の事をどう思われているのか、そのお心を聞いた事は記憶の中今までない。

政治の為、国の為。アルヴァン様にとって私(わたくし)は、母国からこの国へ嫁がされた女に過ぎない。

私(わたくし)は大勢いる側妻の一人で、その寵愛を受けるなんて事……望んではいけない事のに。

なぜかしら。さっきの言葉で期待してしまう私(わたくし)がいる。

捕らえられたスフィアではなく、私(わたくし)のところに来てくださる時点で勘違いしてしまいそうになる。