暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】



声の方を見てみると入り口の方にはクレハの後に入ってきたと思われる、第一騎士団団長のチベットと、私によくして下さったチベットさんがいた。

どうやら抱きしめられていた光景を見られてしまったようだが…………………………………って、あれ???


チベット………さんっ!!??


私が陛下の腕の中で混乱していると、それに気づいた陛下が理解出来ていない私に説明してくれた。

「何やら二人は兄妹のようだ」

「…………………………今なんと……おっしゃいましたか?」

私の聞き間違えでなければ今、兄妹と……………。

しかし、そうなると何故このような遠く離れた地で侍女などを?

出稼ぎにしては遠すぎるし、

それに騎士隊長になれる位であるならば、身分はまず低くはないはず。

親や祖父の代から宮殿の騎士をしていた家系の息子が、大きくなって騎士になると言った事例もよくある事。

仮にそうであれば家が貧しいという事はないだろうけど、アンディード帝国はガルコ王国と違って実力主義なので、


やはり貧しくて出稼ぎに来ていたといった可能性も捨てがたい……。

「チベットさんも苦労されたのですね……」

結局私は出稼ぎでこの地を訪れたのだと勝手に解釈をし、今自分が置かれている立場も忘れ、そう言葉をかける。

私が陛下の腕の中に収まり、周りから不思議な目で見られていることも忘れて……。

「え、あ……まぁそうね。色々とあったわ。しかし…………………貴女こそ苦労をされていたのですね」

「え?」

いきなりチベットさんから哀れみの目を向けられ、わけが分からず首を傾げる。

「……ここに来た時から訳ありだとは思っていましたが、まさかアンディード帝国の陛下と、お知り合い………いえ、陛下の愛人だったとは思ってもいなかったわ」

………………………え?

その言葉に一瞬フリーズする。

……そうだった。私は今捕らえられた侍女であり、陛下とは初対面でなければ可笑しいのだった!!

しかも更におかしな事に私は陛下の愛人だと思われているようだ。

「えっと、私は………」

いきなりの言葉に何て返事を返したら良いか戸惑う。

妃だと言っても良いが、それはそれで国際的大問題に発展しても嫌だし、かと言ってこっそり付き合っているような言い方をされるのも好きではない。

それなら、何て返したら一番ベストなのだろう?

必死に返事を考えていると、そんな私を見て陛下が口を開いた。

「妃だ」

……………えっ!?ちょっと陛下っ!!?

必死に考えていた私を無視して、あっさりと告げられたその言葉に私はもちろんチベットさんはかなり驚いていた。

「へ、陛下……………そのような事を仰られてよろしかったのですか!?」

まぁ、勝手に首を突っ込んだ私が悪いのだが妃が牢屋に入れられていた何て他の人にバレたりしたら……ヤバイんじゃ。

いやまだ他の対応は良いとして、問題は陛下かもしれない!!