暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】







フィグリネ様との話を終えた私はレイジュさんが始めに言っていた言葉を思い出し、衣装部屋へと足を向けるとそこにはホウキを手に持ったレイジュさんが掃除をしていた。

「只今戻りました」

「あら、早かったのね」

背中に向かって声をかけるとレイジュさんは掃除する手を止めて私の方へ振り向き、早速ここでの作業を割り当ててくれた。

「頼めるかしら?」

「かしこまりました」

そう言って向かった先はお手洗い場で、そこにはたくさんの個室が並んでいた。

「意外と多いのね」

その数に思わず後ずさりする。

ハレムと言っても侍女の人数には所詮限りがあるし、後は側妻様しか使わないと最初に思っていたのがいけなかったみたい。

しかし、アンディード帝国でメイドをしていた時も掃除は良くしていたのでそこまで苦痛ではない。

どちらかと言うと綺麗になっていく過程を見るのが好きな方だ。