「しかしスフィア様以外にも側妻様はいらっしゃいますが…」
そうであれば、他の側妻様も嫌いでないとおかし……「他の側妻もスフィアも私は皆嫌いよ」
「………」
つまり12人全員嫌いと言う事……?
何年も一緒に過ごしてきた仲だと思うのに…。
「おかしな顔をしているわね(笑)これは私(わたくし)だけに関わらず他の者も思っている事だと思うけれど?侍女の貴女には分からないでしょうけれど、ここ(ハレム)は女の争いなの。アルヴァン様のお心を独り占め出来たものが真の愛を得れる。そして、どこへ行こうが正妻として堂々と立ち振る舞える……」
最初こそは強きだったフィグリネ様も最後の方になると声を小さくさせた。
どこか少しだけ……辛そうに見えた。
「しかし王子様であるアルヴァン様を愛してしまった結果なのだから仕方ないわ。……本当、あの方が羨ましいわ」
「あの方……ですか?」
「えぇ。ここから少し離れた国の妃ですが、聞いた話では陛下はその妃を寵愛なさり他はいらないと言っているそうではありませんか…。なんて羨ましい事なのでしょう」
……あれ?それどこかで聞いた事のあるようなセリフ。
確か私がここへ来た時アルヴァン様が行っていたっけ。
確かその国………いや、きっと違う!!



