「〜〜…………っ!!もう、違う!!!」
え、違うの!?正解だと思ったのだけれど…………。
「確かにそうだけど、きっとチベットさんが言いたかった事はそうじゃないと思うわ」
ん〜…………じゃあ、もっと違う意味合いがあるのかな?
一体何だろう??
一向に答えの出ない私ヘチベットさんは正解を教えてくれた。
「正妃よ」
「正妃…………ですか?」
「そう。第3王子であるアルヴァン王子様は他の王子様よりも髪色が赤く、次期国王だと言われているお方。そんなお方にはもちろん正妃が必要となり、国王になった時にはその方は王妃となるわけ。今は側室の妻しかいないけれど、これからは正室も決めていかなくてはならないわけ。つまり正室争いがこのハレム内で行われている最中に王子様が一人の側妻様の元へ行かれたら、他の側妻様は何て思う?」
それって…………。
「王子様自ら正室候補だと言っているようなものじゃ………」
「そう。王子様がそうでなくとも、他の側妻様はそう思うでしょうね。中には嫉妬深い方もいるから」
それを知って思う事は、王子様は何でそんな時期にスフィア様とお会いになられたのか!?って事だけど、ポジティブに考えてみれば少なくとも大切に思ってると言うことだよね?
何とかなるんじゃ……………。
「…………貴女軽く考えているみたいだけど、十分に気をつけた方が良いわ」
「え?」
「言ったでしょう?中には嫉妬深い方もいるって。王子様からの寵愛を邪魔する為なら手段を選ばない方達までいる」
…………つまり。
「いじめって事ですか?」