…………………この声。

私は咄嗟にその場から廊下側へ視線を向けると、そこにはアルヴァン王子様が侍従を数人連れて面白そうにこちらを見ていた。

「アルヴァン様………っ!」

水やりをしていたスフィア様もその登場にかなり驚いている。

それもそのはずこの方面には、スフィア様の部屋しかない為、ここへ来る者はスフィア様に用のある者となる。

つまりこのアルヴィン王子様は態々スフィア様に会いに来られたのだと言い換える事ができる。

「あ…………こ、これは……っ///」

自分が今何をしていたのかを思い出したみたいで、急にスフィア様は顔を赤くさせ、手に持っていた物を後ろへ隠した。

「隠すの遅い(笑)もう見てしもうたわ」

「…………〜っ!///」

人様のイチャイチャを見るのは初めてで、どうしたら良いか正直分からないが、せっかくなのでティータイムに誘ってみる。

「王子様。丁度今からティータイムするのですが、宜しければご一緒にいかがでしょうか?」

「あ、アニ………!!」

スフィア様は意外と恥ずかしがり屋さんのようだ。

ティータイムの言葉でさえ反応をする。

夫と妻だというのにね。

「何かそれ面白そうやな!ちょっとしていくわ♪」

対する王子様はいつものスマイルでその話にノッてくれた。

「では、ご準備致します。スフィア様もどうぞこちらへ」

着替えさせる必要がありそうだと思った私は一度スフィア様を自室へ戻し、そこで着替えとお手入れを済ませ、ティータイムの会場となる廊下へ足を運んだ。

……………まぁ、その廊下は部屋の前なのだが。

テーブルとイスを設置し、その上に飲み物と軽食を並べると、準備完了だ。