取りあえずキリをつけ、スフィア様の近くにある自室に戻り服を清潔にすると、寝間着姿のスフィア様の着替えを手伝った。

「……アニは器用なのね」   

「何の事でございますか?」

着替え終わったスフィア様から驚いた表情をされ、一体何の事だろうと首を傾げる。

「貴女も知っていると思うけど、ここでは一人の側妻に複数の侍女が付くの。そして着替えはもちろんの事、身の回りのお世話全般を分担して行う。しかし、アニはそれら全てを一人で済ませてしまうのだもの。驚かされるわ」

確かに大変だけど………………まぁ一人で出来る範囲内だし、これで二人も正直いらない。

それに前もって段取りをしておけば、ある程度うまく行く。

別に凄いことでもないと思うのだけど………………。

そう思う私にスフィア様は更に言葉をかけた。

「貴女が私の侍女になってくれて本当に良かった」

スフィア様はそう言って必殺メロメロスマイル………………は私が心の中で付けた名前だけど、性別を問わずにときめいてしまうような笑顔をこちらへ見せた。


まだだいぶ幼さが残る顔立ちなのに、この甘い笑顔は反則………。

本当にこの方は美少女という言葉のよく似合う方だ。