「わたしも……一瞬だけ言いたい」
「……なに」
ハンドタオルで涙を拭った聖梨が、涙の残る瞳で雄楽を見つめ返す。
「見てるだけはイヤだよっ」
言い放った言葉を雄楽が理解するより先に、聖梨は雄楽の胸に勢い良く飛び込んだ。
「わたしだって……雄楽くんが好きだから……」
これを言ってしまえば半年前の雄楽の嘘が無駄になってしまう。
でも、雄楽の本音に応えたい気持ちはごまかし切れなかった。
「俺……絶対大きくなるから。中身も外も」
「うん……ずっと見てるよ」
一番大事なモノを守る為に強くなる。
聖梨を守りたい気持ちを聖梨を守れる強さに変える為に。
雄楽に甘えるだけじゃなく雄楽を支えられる強さを得る為に。
お互いを想い合った片想いは続く。
-終-

