試合後の滴る汗もそのままに、息を整えた雄楽がじっと聖梨を見据えた。
その視線が半年前よりも近付いたのは、雄楽の身長が自分に近付いたからだろう。
半年の間に成長した雄楽が嬉しい反面寂しくもあった。
「……お疲れ様。すごい汗だね」
自分を幼くも一途に想ってくれていた雄楽は、成長していく雄楽の中にどれくらい残っているのだろう……。
嘘とは言え突き放された自分が考えるのは厚かましいのかもしれないけど。
自分を女の子として大事にしてくれた雄楽の気持ちは、聖梨の大きな支えだった。
「ちゃんと拭かなきゃ……」
持っていたハンドタオルを雄楽の頬に宛がう手が震えてしまいそうだった。
雄楽は自分に何を伝えに来たのか。
雄楽をずっと見ていると言ったことでまた雄楽の邪魔をしてしまったんじゃないか……。
それとも、本当に雄楽自身に邪魔だと思われているのではないか……。
そのどちらを思っても聖梨は目の奥がジンと痺れ始めていた。

