「一兄狭い。ヒロとは私が眠るから一兄は自分の部屋で寝てよー」


「いやいやいや、ヒロとは俺が寝るからお前が自分の部屋行けよ。」


「はぁ~これだからシスコンでマザコンは~」


「はあー!?シスコンでマザコンなのはお前もだろ!」


「私は姉で娘だからいいの。一兄キモいよ。」


こんなんでずっと私を挟み言い合いが続いていく…


しかし、それもいつの間にか終演を向かえ両隣から静かな寝息が聞こえてきたが、身動きがとれない私はすごく寝辛い…


未だに眠れる気配がなく、目が冴える一方でベットの中でもんもんとしていると、ドアが開いた気がした。


「ヒロ姉…眠れない…」


薄暗闇に現れたのは両手に枕を抱えた真吾だった。

両脇の二人を起こさないようにそっとベットを抜け出し、真吾の元へいく。


「風、怖い…」


3つ下の真吾は怖がりさんだ。


なんか…可愛いな~


「一緒に真吾の部屋で寝ようか。」


屈んで微笑むと、真吾は嬉しそうにウンと大きく頷いた。

そのまま二人で部屋を出ようとして、足が止まる。


私がいなくなったら、夜中気づいちゃうかな?

考えた結果…

私の代わりにクマのぬいぐるみを置いた。

小さいものだと違和感で直ぐ気づかれるかもしれないから、私が持っているなかで一番大きい奴を選んで。

そして、私は真吾の背を押し隣の部屋へと向かったのだった。